リレー小説(その四)
□Knight×Laurentia!
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Side フィア
騒がしくなった廊下に、顔を上げれば。
ヒトラー様の部下。
―― やはり、謎だ。彼らは。
同じ部隊の人間でも、こうも違うとは。
シストも同じ事を考えているらしく、クックッと笑っている。
何事かと思えば、これから先のこと。
チームに入りたいという、ゲーリング。
大丈夫なのか、彼は。
―― 解決すべき問題が多すぎるんだよな。
いかんせん、敵に回したものが多すぎて。
何から片付けるべきか、わからない。
ヒトラー様もしばし考える。
ただ、ひとつ思うのは。
とりあえず、全員ちゃんとコンディションを整えるべきだと、思う。
傷を負ったものが任務に参加すれば、その傷の所為で、更なる傷を負いかねない。
俺自身が、それを身をもって知っている。
その所為で、味方が被害をこうむった場合、目も当てられない。
……まぁ、その時間を相手が与えてくれるとは、思えないのだけれど……
もっとも俺は、口出しできることでもないし、おとなしくしていることにした。
この状況元、トップはヒトラー様だ。
頼ってしか動けない、ということはないのだけれど、下手に単独で動くよりは誰か統率力のある人に指示を出してもらったほうが
安全に、かつ確実に動くことができるだろう。
指先で、小さなツララを作って遊ぶ。
小さいころから良くやっていた遊びだ。
できるだけ小さく、鋭く。
「……地味な遊びしてるな。その割りに、クオリティが高い」
シストが苦笑気味に言う。
俺にもできるかな、とシストも挑戦するけれど、俺ほどはうまくできない。
シストの魔力は純粋な氷じゃないからな。
悪戦苦闘しているシストを見ているうちに、なんだか酷く眠くなってきた。
いつもなら、絶対こんなところでは寝ないんだけど(というのも、下手に寝て、性別バレても困るし)
今日は、もう限界だ。
身体的にも、精神的にも。
もっと強くならなきゃな……と思いつつ、意識を落とした。