リレー小説(その五)
□Knight×Laurentia!
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Side ルカ
スターリンに言われた言葉に、俺は反応できなかった。
うなずくことも、否定することも、できない。
いや、否定なんて、できるはずがないんだ。
すべて、事実なんだから。
―― 本当は。
ずっと前から、知っていた。
人の関係なんて、思ってるよりずっと脆くて、
ずっと壊れやすい物だって。
欲で、羨望で、嫉妬で……
簡単に壊れ、崩れていくものだと、知っていたはずだった。
―― 平和すぎるんだ。この騎士団は。
俺は、それが普通だと思っているから、信じているから、信じられているから。
だから、今回のような事態に、大きなショックを受けた。
誰かが裏切ったり、誰かが誰かをだましたり、蹴落としたりなんて、
この騎士団では考えられないことだったから。
最年少で、セラという位に就いた俺を、妬む奴は当然いただろう。
ジェイドやクオン、アレクやアンバーのように、実力があるならともかく、
俺は、魔術を使えない。
生粋の、剣術使いだ。
剣を奪われてしまえば、それこそ能無し。
身体ひとつで戦うといっても、限度がある。
そんな俺を、拒絶し、排除することなんて、簡単なはずだった。
俺は、馬鹿だ。
物事考えずに突っ走るし、その所為でよくフィアにしかられるし。
ジェイドのような冷静さも、アレクのような勇敢さも、クオンのような繊細な気遣いも、アンバーのような聡明さもない。
そんな俺が、ここまでセラとしてやってこれたのは、どう考えても、周りの奴らのおかげだ。
信頼関係だけでやってきたようなものなんだ。
それが崩れた今。
―― 俺は、どうしたらいい??