リレー小説(その五)
□Knight×Laurentia!
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Side フィア
クビツェクに助け起こされながら、溜息をついた。
ヒトラー様は笑ってるし、クビツェクも笑いそうだし。
恥ずかしいことこの上ない。
普段冷静に振舞っている(つもり)なだけに、こういうときって……
本当に、恥ずかしいのだ。
ブレスレッドは、シュペーアがもっていた。
彼も、目を覚ましたのか……否、俺が騒いだからか?
そういえば、ここまで運んでくれたのはシュペーアのはずだ。
俺がちゃんと身に着けていなかったから、落とさないようにと持っていてくれたらしい。
ほっとして、それを腕につける。
―― よかった……
魔力を抑えるために必要だから、という話じゃない。
アルにもらった大事なものだからな……
それに、これは……
―― 確実に、俺を抑えてくれるから……
天使の力を持つ俺を守ってくれる、抑制機。
悪魔の力をさえぎり、天使の力を抑えてくれる。
―― おまじない、かけておいた……
あれを渡してくれたときの、アルの表情を思いだす。
へらりと眠たげに笑いながら、俺にそれを渡して、俺が怪我をしないように、と、まじないをかけたといっていた。
怪我をしないというのはさすがに無理だが、命にかかわるような傷を負っていないのは
それのおかげなんじゃないかな、と思っている。
そして、シュペーアがヒトラー様に尋ねたことで、ひとつ不思議が増えた。
確かに、ヒトラー様は鉄十字をつけていない。
おそらく、魔力を開放したときに壊れてしまったのだろうけれど……
それでも。ヒトラー様は全く問題ないらしく。
魔力をコントロールできているようだといった。