リレー小説(その六)

□Knight×Laurentia!
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Side アル





お二人がいちゃつき始めて早数分。

もう、僕は気にしないことにしてるけれど(否、むしろ見てない。みてるのも申し訳ないし)……

本当に、仲いいんだなぁ……

と、痛感。

ルカ様はもう、吾関せず、の構えだし、フィアは布団から出てこないし……



―― たぶん、耳もふさいでるだろうな、この様子じゃ。



さっきから繰り広げられている甘い会話は、

それこそさっきヒトラー様が飲んでた紅茶以上に甘いだろうに。





ほら、ここ……騎士団って空間じゃ、そんなういた話もあんまり無いから、僕も慣れてはいないんだけど……

……なんていうか、あれだよ。

仲いいっていいよね、って。

僕はもう、そう思うことにした。




と、そのときゲッベルスさんたちが帰ってきた。



―― ……彼らはどういう反応するだろう。



そう思って、視線をやれば"全くもう!"という顔をしているシュペーアさんと鼻血出してるゲッベルスさん。

なんか、"可愛い!"って叫んでる。

……大丈夫かな。

それさえも聞こえていない様子のヒトラー様たちには驚いたけど。





「……」

と、布団が動いてフィアが顔を出した。

顔真っ赤。

「く、苦し……」

「え?」

咳き込んでるフィア。

目が潤んでる。何があったの?

というか、大丈夫かな。こっちも。

「何で?」

相変わらずに耳をふさぎたそうにしているフィアに問えば、一言で返事。

「……熱くて」

あぁ……まぁ、そうだろうね。

もともと氷属性魔術の使い手であるフィアが頭まですっぽり布団に包まってる時点でしんどいだろう。

大丈夫?と問おうとしたら、

「……俺、ここにいるの場違いな気がする」

言うが早いか、フィアはドアの前に立っているシュペーアさんたちの横をすり抜けて部屋を出て行ってしまった。

……そんなに、ここにいるのが嫌だったのかな。フィア。

「あはは……あいつも重症だな」

ルカ様が笑ってる。

「あんなんじゃ、嫁の貰い手がいねぇな……」

困ったもんだ、というルカ様。

……いい加減に誰か、あの二人を止めてあげるべきじゃないかな??

止めるのも野暮かもしれないんだけど……すっかり二人の世界に入っちゃってて、僕らの存在忘れてるから。





 
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