お話

□休息
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ファンタジアの祭り騒ぎも終わり、妖精の尻尾には日常が戻ってきた。
ラクサスとの闘いでかなりの傷を負ったガジルだったか、わずかな包帯が残るまでに回復していた。いつまでも仕事をしない訳にもいかず、ギルドへ行く。
相変わらず大勢の魔道士たちで騒がしい。
「よォガジル!」
「ガジル!ケガが良くなったんなら、あたしと飲み比べしようよ!」
かけられる声を、軽く手を上げてかわす。
少しずつ馴染んでゆく実感にとまどう。
強さだけを求め、ただひたすら走り続けていたこの俺が、初めて立ち止まったのは…。
「ガジル!!」
気付くと目の前で小せェ奴が見上げていた。
「ケガ、だいぶ良くなったみたいだね♪」
「オゥ」
とりあえず空腹を満たそうと席に着く。そいつは青い髪を揺らし、当たり前のように向かいの席に座る。
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