涙空

□プロローグ
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いつもの通り道───────

何も変わらないはずなのに…
何故か…

人が後ろから着いてきています

その人が誰かと言うと
白桜組総長 桜崎ア翔(オウザキショウ)
白桜組といえばここら一帯をしめている有名な暴走族

そんな彼と出会ったのはそう、数時間前─────



私が愛犬チロルといつもの散歩コースを歩いていた時のこと

「ほー今日はいつにも増して晴れてるねー、チロル」

「わんわんっ」

「どうしたのチロル?」

…ん?なんかある…
…人?

人!人!人が倒れてる!


私はあまり関わりたくなかったけれどチロルがあんなにも吠えるから今更何も見なかった事に…なんて出来なかった


「あ、あのう…大丈夫ですか…?」


私は恐る恐る声をかけてみた


初めは無反応か…と思っていたのにもう一度声をかけてみると


「…んっ」


「あっ大丈夫ですか?!」


「…あんた誰?」


…あんた誰ってあなたを助けた…いや声をかけただけの通行にn「もしかして助けてくれたのか?」


「いや助けたというか…声をかけただけっていうか…」


「そうか…
まあさんきゅーな」


そういって彼は私に笑顔を見せ、その笑顔に不覚にもときめいてしまった…


「あの、それじゃお大事に」


そそくさと逃げるように去ろうとする私に彼は


「待て
助けてもらったんだ
なんか礼を
…金でいいか?」


「いえいえ!
そんなものいりませんって!」

お金って…生臭っ


「んじゃなんだ?」


「…どうしてもって言うなら」


「…ら?」


「チロルの散歩でも…」


「散歩…おう!
やる!
いややらせろ!

そうだ、俺の名前は桜崎翔だ

翔でいい」


「…神樹琉菜(カミキルナ)です」


「琉菜か、まあよろしく頼む」

そうして今に至る…ということ

まさか声をかけた人が総長だなんて、こんなことあるんですか

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