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□「守りたいもの」7
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「さっきはごめん…乱暴な事して…」


チャンソンが私に歩み寄りながらバツが悪そうにそう言った

私は何と答えたら良いか分からずただうつむく事しか出来なかった


「名無しさん…

…僕を見て……?」


驚く程穏やかな口調でそう言うと私の頬をそっとチャンソンの大きな手の平が包んだ

チャンソンの大きな瞳に捕われた私は一気に緊張が解けたように涙が頬を伝っていた


「あのね、チャンソン…私…」


ふいに引き寄せられた私の身体はチャンソンの大きな胸に包み込まれて身動きが出来ないほど強く抱きしめられた


「何も言わないで…

今は名無しさんがいてくれれば何もいらない…!」


チャンソンの匂い

チャンソンの温度

チャンソンの声…


チャンソンを感じるだけで私はこんなにも満たされてる…


こんなにも私を満たす事が出来るのはチャンソンしかいないんだって痛いほど思い知った


誰よりも何よりも私にはチャンソンが必要なんだ…


「おいで…!」


導かれるまま私はチャンソンの部屋へと入っていった

先を歩くチャンソンの広い背中がとても愛しくて私は後ろからギュッと抱きしめた
少し驚いたように歩みを止めると回したた私の腕にそっと触れた


「今までごめん…

かっこ悪い嫉妬で名無しさんを泣かせて…

本当に情けないよな…」

その言葉に私はチャンソンを抱きしめる手をさらに強めた


「ヒョンが名無しさんに気があるんじゃないかって、いつもひやひやしてた…

名無しさんがヒョンのところに行ってしまうんじゃないかって…

だから名無しさんがヒョンのファンだったって聞いた時、もうどうしようもなく不安だった…

名無しさんの事信じてあげられなくてごめん…」


抱きしめた手から痛いくらいチャンソンの気持ちが伝わって私は胸が苦しくなった


「私こそ…!

不安にさせてごめんなさい…

チャンソンがそんな事考えてたなんて思いもしなかった…

ジュンスさんは確かにファンだったけど、それはいちファンとしてだよ…?

私が一番そばにいたい人はチャンソンなんだよ…?」


チャンソンはくるりと向きを変えると私の耳に吐息を落として優しく唇を重ねた


「名無しさん、サランへ…!」


私はチャンソンのぬくもりを感じながら満たされてゆく自分をとても愛おしく感じていた…
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