BOOK

□ネイルの誘惑
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今日は久しぶりの休み

2人だけで過ごせる甘い甘い休日


…のはずなのに…


今目の前にいる彼はソファに寄りかかってTVを見たまま寝ちゃってる


かわいい寝顔…!

思わずその無防備な寝顔に見とれてしまった

こんなかわいい寝顔を見る事が出来るのは私だけだと思うとそれだけですごく幸せになる


だけど、今日はそれだけで満足しちゃだめなのに

目の前にチャンソンがいるっていうのに手も足も出せないなんて!

このおあずけをくらったような心境に私は叫びたい衝動にかられた


でも幸せそうに眠ってるチャンソンを起こすなんて出来ないよ…

私は半ば諦めながら何をしようかと考えていた


「そうだ…!」

私は引出しから一本のマニキュアを取り出した


最近忙しくてネイルのお手入れしてなかったもんね…

お気に入りのマニキュアをゆっくりと指先にのせていく

指先がつやつやとピンク色に光ってそれを眺めているだけで幸せな気分になる

チャンソン気付いてくれるかなぁ…

そんな事を考えながら十本の指を塗り終えて両手を振りながら乾かしていた


「シャンプー変えたでしょ…?」


突然後ろから声をかけられて私は心臓が飛び出そうになった

心臓の音が聞こえそうな位近づいたチャンソンは後ろから私をぎゅっと抱きしめた


「いつのまに起きたの?」

「名無しさんすごくいいにおい…」

私の質問には答えずそう言って私の髪の毛に顔をうずめた


「くすぐったいよ…!」


私は思わず身をかがめてしまったけれどチャンソンは抱きしめる手を緩める事なく私の首筋に顔を寄せた


「なんで起こさなかったの?」


首筋に顔をうずめたままのチャンソンは鼻先で髪の毛を揺すって遊んでいる


「だって…きっと疲れてると思って…」


私は乱れた呼吸がばれないようにゆっくりと言った


「名無しさんのそういうとこすごいかわいいのな…」


チャンソンはそう囁いて耳元にキスを落とした

私は思わずビクンと身体を大きく反らせてしまった
チャンソンはそんな私を見て楽しんでいるみたいだ


「チャン…ソン…」


チャンソンは抱きしめていた手を私の胸の前で止めるとその大きな手の平で包んだ


「チャンソン…だめ…!」


私は震える声で言った


「なんで…?」


「だってマニキュアがまだ…乾いてな…い…」


私の言葉を聞いてるフリしながらチャンソンは洋服の中に手を滑り込ませて意地悪な位に私を刺激した
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