Dream【3】
□お前を連れ出す為の口実
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「もーらいっ♪」
「あっ!!」
今まで手に持っていた鯛焼きが一瞬で消えた。
鯛焼きの行方を探し、視線を上げれば阿散井副隊長の口の中…。
副隊長だから怒る事も出来ない。私が黙って見てると鯛焼きを食べ終えた副隊長が口を開いた。
「ごっそーさん!ん?何だよ」
「私の鯛焼き…」
「俺の前で食べてるからだろ?」
「お腹空いて倒れたら副隊長のせいですからね」
空腹しのぎの鯛焼きだったのに、その鯛焼きが奪われて私は空腹で倒れそうだった。
「じゃあこれから鯛焼き食べに行こうぜ!俺が奢ってやるよ」
「え!?」
驚いている間に副隊長に手を掴まれて引っ張られていく。
はたから見れば手を繋いでいるように見えるだろう。
「ちょっ…副隊長!?///」
一歩先を行く副隊長の耳が赤いような…?
私もつられてさらに赤面してしまった。
こんな副隊長にドキドキして私の心は揺れ動いていた…。
【お前を連れ出すための口実】
お前と一緒に…二人だけで何処でもいいから行きたかった。そのために多少の意地悪は許せよ?
俺を意識して欲しいんだ。
END