君は158927人目
何が起きているの?
なぜ港には海賊が留まってるの?
どうして海兵が街にこんなにたくさんいるの?
私の息子は無事なの!?
「母さんっ!!」
振り返るとあの子が左の小道から血相変えてこちらに走ってくる。良かった!!あの子は無事なのね!!
すると私の傍まで来ようとこちらに向かって走ってくる。ダメよ!こっちは危ない!!
「戻りなさい!!こっちに来ちゃダメよ!!」
あの子は大通りに入ると、逃げ惑う人波に飲まれながら、必死に逆らってこちらへ来ようとしている。それでも徐々に街の奥へ押しやられていく。
「ッくそ!母さん!母さんっ!!」
「いいから!お前は街の奥へお逃げ!!母さんも行くから!!」
「嫌だ!!母さんっ!!」
その直後。一瞬、後ろから凄まじい轟音が私の後ろから鳴り響いた。振り返ると、私の職場である港が破壊され、真っ黒な煙と共に熱風がこちらに流れ込んだ。
それと共に大勢の人はパニックを起こし、悲鳴をけたたましく上げて街の奥へ走り出した。
死の恐怖で一帯が狂気に満ち、赤ん坊を抱く母親や年老いた男性が突き飛ばされていく。私も後ろから押されながらも息子の方へ走り出す。こんな状態だとあの子の方が怪我をしてしまう!!
「母さん!!」
視線を上げると既にあの子が手に届く所まで来ていた。私は自分に伸ばされる大きな手を取った。
(執筆中最新話本文一部抜粋)
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