美食屋夢

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ココを拾ってから早一週間。


・・・・いや、拾ったは失礼か;
でも、実際拾ったが正解なんだけどさ。


まぁいいや。

とにかく一週間が経ちました。


実はココってあの美食四天王の一人なんだって。

俺超吃驚したよー。
有名人に会うのって初めてw


まぁ、そんなことはいいんだ。



拾ってきたときは瀕死の状態だったのに既に傷口には薄皮が張っていてもう包帯は要らない感じ。
からだの方もだいぶ動ける様になったみたいで薪割りとかやって貰っちゃってますw




『もうだいぶ良いみたいだね。傷の治りも早いし・・・そろそろ帰れるんじゃないかな?』


「えっ・・・・」




どがーーーん。






うえっ?!((((;゜Д゜)))
台ごと割るとかどういうこと!?;


切り株を台にしていたんだけど、ココがこっちを向いて斧を降り下ろしたもんだからバックリ・・・


降り下ろした格好でそのまま俺のことを見ながら静止しているココ・・・

あれ?俺おかしなこと言った?;




「宗近ちゃん。それって・・・」



まるで捨てられた仔犬のような瞳で俺を見るココ・・・

うー・・・なんか物凄い悪いことしたような気分なんですけど;




『えっとね?;ココは全快っぽいから・・・ほら!なんか依頼受けてたっていってたでしょ?あれ、キチンとしないといけないんじゃないかなぁーって・・・』


「宗近ちゃんは・・・」




斧を切り株に刺したまま手を離しフラフラと俺に近づいてくるココ。

俺のところまで来たなぁって思ったら行きなり膝まずいて俺の手を取った。




「宗近ちゃんは・・・僕がいたら邪魔かな・・・」


『いや・・・邪魔とかじゃなくてさ;全快したんだからさぁ?それに、お仕事はしっかりしなきゃじゃん?』


「でも・・帰ってしまったら宗近ちゃんに会えなくなってしまうじゃないか。」


『いや・・・でもね?;』


「せっかく巡り会えたのに・・・」



俺の手を取って自分の頬に擦り付ける。






・・・・ココってスキンシップが激しいと、俺は思う。



一週間一緒にいたから、ココの毒体質は聞いた。

初めはその体質のせいで俺に移したらいけないって触られることを嫌がってたんだけど、俺は別に気にならないって伝えてやった。


実は俺、山に1人で修行を初めて結構長いんだよね。


師匠に絶対に山は降りるなって言われてるから、薬とか食料とか完全自給自足で・・・

図鑑とかないから自分で試してどの効能があるか調べないといけなかったりしたんだよね。

中には毒が含まれているものもありまして・・


でも、その毒を治すためにまた違った毒を口にしたりしてた。


正に“毒をもって毒を征す”だったのである。





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