恋すてふ♪
□六.親友
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後日、原田は葛飾岱斎先生の家に赴いた。今日が、その詩集の発売日だからである。
「ようこそ、おいでくださいました」
岱斎は、原田を部屋に通すと早速、出来上がったばかりの詩集を出した。
「町は今頃、ごった返しですよ。何せ、京は都。沢山の、大金持ちがいますからね」
「売り切れるか」
「ええ、そりゃ人気作家が集った詩集ですからな。一応、沢山は発行しているので、そうそう売切れはしません。見込んで二日くらいですかね」
それでも二日。遠くから足を運ぶ人もいる。全国発売だが、近隣の藩で田舎なところがあれば、店がないのでそこからも人は来る。
真新しい詩集は、風情ある表紙。若草色をしている。
それから原田と岱斎は、しばし世間話をして終わった。