恋すてふ♪

□七.話題の詩集
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「てめぇら、静かにしやがれ! 新八も話すなら最後まで話せ!」


一瞬にして静かになった食卓。一旦落ち着いたところで、永倉は再び話を開始する。


「で、続きだけどよ。俺としては雪子っていう女流作家が凄いと思う!」


その瞬間、原田が吹いた。


「ん? 左之、どうかしたのか?」

「い、いや何でもねぇ。続けてくれ」

「おうよ。俺が見る限り『梅若集』の一番は雪子という子が書いた詩だな!」


すると、藤堂がどんな詩なのか気になると言った。


「あんまり内容は言えねぇが、一言で言うと恋の詩だな」

「ぶっ! しんぱっつぁんが選ぶ一番が恋の詩って、想像出来ねぇー!」

「何だと!?」


怒る永倉だったが、藤堂の言葉は他の幹部にも納得出来るものだったようで、原田や沖田も「確かに」なんて頷いている。斎藤ですら、微笑んでいる。


「と、とにかく読んでみりゃ分かるって。詩ってのは、自分の目で確かめて初めて分かるってもんだ! 雪子ってのは、女だけどよ凄ぇんだぜ!」


永倉曰く、そんじゃそこらの男だと負けてしまうほどの才女で、詩だけじゃなく小説も書くらしい。

すると、それを聞いた沖田が目を細めて言葉を発する。
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