恋すてふ♪

□七.話題の詩集
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詩集『梅若集』が発売された晩。新選組屯所の食卓は、永倉の熱気で凄まじいことになっていた。


「いやぁ! あれは凄かった!」


と語るのは『梅若集』の感想だ。


「そんなに凄いんですか?」

「お、千鶴ちゃんも興味あるか?」

「止めとけって千鶴。しんぱっつぁんの言うことなんて、まともに聞いてたら朝になっちまうぜ」

「何ぃ!? 平助、そりゃどういう意味だ!」

「そのまんまの意味だって! 千鶴、嘘吐かなくて良いんだぜー」

「え、でも。ちょっと興味あるかな……」


千鶴の返答に、永倉は一人盛り上がった。


「だろ!? 平助、ちょっとは千鶴ちゃん見習えよ!」


そう言って熱く語り始める。


「よし、皆よく聞けよ! 永倉新八様が講義してやるぜ!」


うげ、と声を漏らす藤堂を余所に永倉は話しはじめる。


「今日発売されたのは、有名な作家の詩集『梅若集』だ。詩を専門に書いている作家だけじゃなくて、小説を書いてる作家も詩を書いて出しているんだ。……って聞いてんのか!?」

「聞いているとも! 永倉君は勉強熱心だなぁ」

「近藤さん、しんぱっつぁんを褒めると余計付け上がるから駄目だって!」

「平助、お前さっきから俺に対して酷くないか!? って、斎藤! どさくさに紛れて俺のおかず取るんじゃねぇ!」

「食べない新八が悪い」

「食べるっつーの!」

「ちょ、しんぱっつぁん! 俺の取るなよ!」


騒がしい一同に、土方の怒号が飛んだ。
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