恋すてふ♪
□八.発覚
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「どしたん?」
何事もなかったかのように、加子が問う。しかし、弟は焦りながら答えた。
「姉ちゃん、父ちゃんの目に詩集が触れたんだ!」
「え!?」
「怒ってるよ、相当……」
流石の加子も焦った。
詩は出さないと、辞退の手紙まで書かせたのに詩が出ている。それを知った父親の怒った顔が、加子の頭を過ぎった。
勝手に出したのだから仕方ない。しかし、まさか知られるところになるとは思ってもいなかった。詩集とか、興味がない父親なので安心していたのだ。
「加子!」
その時、部屋に入ってきたのは加子の兄だった。
「お前、何でこんな内容を書いたんだ!?」
兄までも立腹しているようだった。
加子は、そわそわしながら弟の顔を不安そうに見つめた。
「とりあえず、父ちゃんのとこに行ってこいよ」
弟の言葉に、加子は怖ず怖ずと立ち上がり部屋を出た。
『発覚』END
2012年7月11日
一部訂正:2012年8月7日