羊と狼
□お昼寝
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「………寝てる」
青い空、白い雲。絵に描いたような心地の良い晴れの日。ぽかぽか暖かい、お昼寝日和。
そんな中、ヘッポコ丸は、木陰ですやすやと眠るボーボボを見つけた。
「聞きたいことがあったんだけど…」
言いながら、ヘッポコ丸はその隣に腰を下ろした。そして、手にしていた本を広げる。
「ハジケリストについては、ボーボボさんが一番よく知ってるだろうし…」
首領パッチは当てにならないからなぁ…
と、一人ぼやく。
天の助や田楽マンは論外だ。
「ボーボボさーん」
こっそりと名前を呟いて、ちらりと伺えば未だに気持ちよさそうに眠っていて。サングラスで目は隠れているが、ぽかんと開いた口が、なんとなく間抜けで。
「……子供みたい」
思わず笑ってしまう。こんな無防備な彼は本当に珍しいから。
「……ボ━ボボさん」
名前を呼び反応を確認して、ヘッポコ丸は、その頬に触れた。いつ起きるかハラハラしながら、そっと、撫でるように動かす。
「……………」
段々熱を帯びる自分の頬。しかし、その手を離すことはなくて。
「あ、………あい…し、て」
"愛してます"
それは、営みの時にほぼ強制的に紡がされている言葉。素面の時には恥ずかしくて、決して口に出すことはできないから、せめて。
「……愛して、ます」
「へっくーんっ!!!!」
「おわぁっ!!?ぼっボ━ボボさん!?」
「へっくん、可愛いっwwwボボ美ヤりたくなっちゃ」
「昼間っから盛らないでくださいっ!!」
顔を真っ赤にして悲鳴を上げるように言うヘッポコ丸に、ボ━ボボは苦笑する。
「いっ、いつから起きてたんですか?」
「うん? へっくんが隣に来たときから」
最初っからか!!!!
ヘッポコ丸はますます赤くなり、うつむいた。
「可愛かったぞ〜。初めての"愛してる"」
ぎゅっと抱きしめて、嬉しそうに言うボ━ボボ。
「もちろん、あんあん言いながら言われる"愛してる"も良」
「何言ってるんですかっ!!」
「俺は本気だぞ」
急にに真剣になる声色に、ヘッポコ丸はビクリと体を震わせる。
「……え」
「本当に、嬉しかった」
肩口に、心地よい重さと体温を感じ、ヘッポコ丸はゆっくりと目を閉じる。
「緊張した甲斐が、ありました」
「そうだ!!俺もお返ししないとな」
「へ?」
「愛してるぞ、ヘッポコ丸」
低く、そして妖艶な声で。ボ━ボボは、呟くように言った。
「────っ!!」
ヘッポコ丸は再び赤く…耳まで真っ赤になり、ポカポカとボ━ボボの胸を叩いたという。
ラブラブバカップル(笑)
2009.4.7