種・種運命
□片思い(キラシン)
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「僕と付き合って欲しいんだVv」
そう言って、アンタは俺に笑顔を向ける。
俺は、当然のように目を丸くして驚く。
「……あ、アンタって……、副会長だろ……っ??!」
「あ、僕の事知ってるんだー?」
うわ、アンタこの学校でどれだけ有名か知らないのかよ;;
「…………でも、何でアンタみたいな人が……、俺なんかと?」
最もな意見である。
すると、今度はアンタが目を丸くして驚いた。
「その前に、男同士なのには疑問を持たないの?」
あー、そっちか。
「別に、そんな男とか性別いちいち気にしてたらキリがないでしょーが;;;」
ま、俺はいたってノーマル派だけどさ。
ぎゅう。
は……………?
「…………よかった……っ」
え?
何が?
「君に、其処で偏見されたら…………、僕、死んでた」
いや、それだけで死なれたら困るし。
つか、完璧俺の所為になるでしよ;;;
俺は仕方なく、アンタの背中に腕を回す。
「…………確かに、同性ってのは周りから見たら偏見とか……、そんな目で見ら
れる方が多いかもしれないけど。
…………でも、好きになっちゃったもんはしょーがねぇでしょ。
好きなんだから」
…………ってこれって明らかに、俺がアンタの事を好きですーって言ってるみて
ーじゃねぇかよ;;;
つか、
「あのー、いい加減離してくれませんかねー?」
「ヤだ」
「ヤだって、アンタいくつのガキですか;;;」
はー………………。
「んじゃ、僕と付き合ってくれるんだったら離してあげる」
は?
何言っちゃってんの? この人。
あー、でもいいかなぁ。
この人だったら。
「別に、いいけど」
「え」
「だーかーらー、別にいいって俺は言ってんの!」
少し、俺を抱きしめていた腕の力が弱まる。
それを利用して、俺は、アンタの腕の中から出て行く。
そして、未だに俺が言った事を理解出来ていないのか、目を丸くしているアンタに
ちゅ。
「アンタって、結構可愛いんだなー?」
って、仕返ししてやった。
⇒あとがき