可愛い貴方、愛しい貴方。 月明かりの下、美しいその仄白い肌を晒している。 その姿を見て、漏れる笑みを抑えられない。 だらりと延びた肢体。それはもう抵抗を諦めた証拠。私のものになった証拠。 でも……少しツマラナイ。 苦しそうに喘いでいる貴方が好きなのに。強がって痛みに耐えている貴方が好きなのに。 闇夜の静寂。聞こえるのは貴方の不安定な呼吸音。 コツコツとそこに私の靴音が加わる。 四肢は拘束具が減り込み、引き裂かれ、肉が見えている。 そこから溢れ出る体液を舐めとる。赤く紅くどす黒い液体。 貴方のものなら何でも愛しい。本当は全て食べ尽くしてしまいたい。 だけどそれは出来ない。 死んでしまった時点でそれは貴方では無いもの。 それは唯の醜い肉の塊。 そんなものに興味は無いわ。 私が愛しいのは貴方だけ。今目の前に居る貴方だけ。 覆いかぶさるように馬乗りになる。 色素の薄い、さらさらとした髪。今は血のせいで少しべたついているけど、貴方の瞳ににとても良く似合っていて、大好きだった。 髪を掴んで顔を上げさせる。 白く整った端正な顔は、痣と腫れで歪んでも、まだ美しさを保っている。 そしてその瞳。 ああ、その目が私を興奮させる。 こんなにされても屈服しない。 嘲り、蔑む瞳が私の奥を熱くさせる。 貴方を壊したい。 この衝動を抑える事は出来ない。 首にかけた手に力をこめた。 出血死なんて芸が無いもの。 私の手で逝かせてあげる。 最後の抵抗。最後の喘ぎ声。最期の音。 逝くときの貴方の顔で私をイかせて。 |