流星通りを一本脇に入った道にオペラグラスという店がある。雑貨屋とカフェを併設しており、寄宿学校の生徒たちにも人気の店だ。 生徒たちに特に人気の有るのが、色とりどりで味も形も様々な砂糖菓子。 琥珀糖に翠緑糖、紅薔薇糖に紫電糖、氷柱糖に硝子糖、色々あるけど、一番人気は星屑糖。 それは夜空を彩る星を形造る時に出来る甘い甘いカケラ。キラキラと自ら光を放つそれはまるで極上の宝石。 星屑糖は他の砂糖菓子より遥かに高額。それゆえ生徒達の憧れは強く、星屑糖を食べる事が一つのステータスとされていた。 だけど食べ過ぎは禁物。 体内から光が溢れ出したらご用心。星屑が寄り集まって星になり、やがては空に浮いてしまう。きちんと繋ぎ止めておかないと、そのまま宇宙で星座の仲間入り。 だけど、たらふく星屑糖を食べた少年から造られる星は天然よりも遥かに美しい。 |