瑠璃姫は人魚姫
□act.19
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A棟B棟間連絡通路ーー
「待て待て閉まるな扉〜〜!!!」
「中にまだニセヴェルゴと黒足の兄ちゃんが!!!」
ビーッビーッという機械音と共に少しずつ閉まっていく扉を目の前にG-5の海兵たちがあたふたと慌てふためく中、レンは自身の手のひらを閉まってゆく扉に翳すとその扉の隙間からサンジのところまで水を辿り着かせ、サンジを水の膜で覆った
「ああああああ〜〜!!!閉じちまったァ〜〜〜!!!」
「ダメだもう!!扉の向こうは殺人ガスが充満してる!!」
「おい、白銀の姉ちゃんもいつまでもそんなところで突っ立ってねェでもうちょっと後ろ下がりな!危ねェぞ!」
『いえ…大丈夫です。次期にサンジ様はいらっしゃいますから…』
「え…!?」
レンがそう言って暫くすると、扉の向こうの水の通路を通って小さい影が走ってくるのが目に入り、海兵が「あ!!」と声を上げる
「ええ!?水の中を通ってる!!」
『ふふっですから仰ったでしょう?サンジ様ならもうすぐいらっしゃいます、と』
ニコッと花の様に可憐な笑みを浮かべるレンにG-5の海兵達はポッと効果音が付きそうな程揃いも揃って頬を赤らめた
すると水の通路を通ってレン達の所まで辿り着いたサンジは真っ先に彼女達の心配をする訳で、
サンジ「大丈夫か!?レンちゃん、それと海軍のかわい子さん!!」
サンジの登場に驚くたしぎを他所にG-5の海兵たちはウオー!やらわぁー!など歓声の声を上げる
『サンジ様、ご無事で何よりでございます!!』
サンジ「あァ!レンちゃんも早いとこ肩の傷、チョッパーに診せなきゃな…!レディに跡が残ったら大変だ」
サンジはそう言うとクルッと後ろを振り返り、未だ声援を送ってくる海兵たちを目に入れ、クワッと表情を一変させた
サンジ「黙れ貴様ら!!!いいか、声援ならおれは黄色いやつしか受け付けてねェんだ!!」
そう言い終えるとサンジは「ウッ」と聞き取れない位小さな声で呻き声をあげた。先ほどのヴェルゴとの戦いで脚の骨にヒビが入ってしまったのだ
「おい黒足、お前どこかやられちまったんじゃ」
そう言って心配をしてくるG-5の海兵の言葉を遮るようにして彼は言葉を繋げる
サンジ「ウルセー!!おれは黄色い心配しか受け付けてねェんだ!!
しかし何なんだお前らの上官だろ!?血相変えてどこかへ消えたが」
サンジは怪訝そうな表情を浮かべながら彼らに問うとG-5の彼らは慌てて弁解を施した
「バ…バカいえあんな野郎ヴェルゴ中将なもんか!!」
「ニセ物だ!!そうだろ!?大佐ちゃん!!」
たしぎ「……ええ!!ーー勿論です!!本物の彼はあなた達にとって親も同然の人物…!!!
あんな事する筈がない!!!それより急ぎましょう子供達を助け脱出を…!!!」
たしぎの言葉を信じた海兵たちは「おう!」と掛け声を一つすると彼女の後ろをついて行く。それを後ろから追いかけながらレンは複雑な表情を浮かべていた