瑠璃姫は人魚姫

□act.19
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一方その同時刻、新世界を拠点とする一国の大国、ドレスローザの宮殿では国王であるドンキホーテ・ドフラミンゴが独特な高笑いをしながら電伝虫越しにヴェルゴからの報告を受けていた





ドフラミンゴ「ーーだと思ったよ!!フッフッフ!!!

おれァあいつを弟の様に思い!!ずっと成長を見守ってきてやったってのに…残念だ」




ヴェルゴ《わかるよ》



ヴェルゴの相槌にドフラミンゴはガシャアン‼︎と城の窓などを盛大に壊すメイド服の女を目で追いながらニヤリと怪しく笑う



ドフラミンゴ「SAD製造室か……!!おれならこうするねェ……まずはその部屋をブチ壊す!!!」



ブキブキの実の能力者であるベビー5はポロポロと涙を流しながらジャキンと腕をライフル銃に変化させ、ヴェルゴと会話を続けるドフラミンゴにそれを向けて発砲した




ドッゴォォン!!!




ベビー5の攻撃を避けるわけでもなく、ドフラミンゴはそれを真っ正面から受けて吹っ飛ばされてもベビー5を気にすることもなく会話を続ける




ドフラミンゴ「更にシーザーを誘拐か……いやあおれならブチ殺す…!!なぜならシーザーは…世界でただ一人、SAD製造法を知る男だからだ」




そう言うとドフラミンゴは腕を鎌に変えたベビー5の攻撃を容易く避ける



ザクッ!!!



ドフラミンゴ「ーーしかしそんな事されちゃあ……困るのはおれだよヴェルゴ…!!おれが困れば次はどうなる?」



諦めが悪いベビー5の頭部をグラディウスが銃で撃てば当然彼女は倒れる。それを見兼ねたマッハバイスがベビー5を宥めようと声を掛けた



マッハバイス「頭を冷やせインベビー5。若に向かって何だイン」





ベビー5「今度という今度は許さないこのクズ野郎ブチ殺してやるのよ!!!」




マッハバイスの言葉も今のベビー5には無意味な物の様で、彼女は怒りに整った顔を歪める




ドフラミンゴ「ーーその次はどうなる?その次は!!?フッフッフフッフッフ!!!不幸は連鎖する!!

お前も辛いだろうがヴェルゴ、ローはそこで始末してくれ。この世に生まれた事を後悔する程に無惨に殺してくれ!!!」



顔に笑みを浮かべながらも額に青筋を立てるドフラミンゴは誰がどう見ても怒っているように見えるだろう。そんな彼に応じてヴェルゴは相槌を打つ




ヴェルゴ《承知した。死体の写真でも撮ってお前に見せようドフィ。ドレスローザで買ったばかりのカメラでな》





ドフラミンゴ「お前カメラなんて買ってやしねェだろう」




ヴェルゴ《そうだおれはカメラなんて買ってやしなかった。じゃあ耳でも削いでいく。》




ドフラミンゴ「 フッフッフ!!楽しみにしてるよ。あァあともう一つ、大事な事を忘れてた


その任務が一通り終わったらレンをドレスローザに連れてきてくれ。噂を聞けば''麦わら''の船に乗船してるらしいじゃねェか…。フッフッフ!!


ドレスローザの''姫君''とあろう女がおれに断りもなく堂々と他の船に油を売ってるなんてのは可笑しな話だろう?なァ相棒

レンに伝えてくれ。''クイーン''の席はお前の物だ、とな。

どちらにせよスマイルを作るのに必要な''聖血''が底をついてきてるみてェだからな…間違っても手荒にするなよ。まァお前程レンを可愛がっていた奴が手荒にするわけもねェだろうがなァ…!それじゃあ頼んだぜ」




ドフラミンゴはヴェルゴとの会話を繋いでいた電伝虫を切り、数年前このドレスローザから逃亡したレンを脳裏に思い浮かべて更に口元に弧を描いた



ドフラミンゴ「シーザー、モネ聞こえるか」



モネ《はいジョーカー》



シーザー《おおジョーカー!!》




ドフラミンゴ「ローは勿論だが麦わらにも充分気をつけろ…!!!あの小僧は覇王色の覚醒者だ!!ローより器は上かもな…!!

ここに丁度血の気の余った女が一人いる。ベビー5とバッファローをそっちへ迎えに行かせる

事が済んだら全員一度ドレスローザへ来い!!それと…ヴェルゴにもさっき言ったがレンのやつも一緒に連れてきてくれ。あいつのあるべき場所はおれの隣だ…!麦わらには荷が重すぎる。フフフ、頼んだぞ」



ドフラミンゴは不敵な笑みを浮かべながら電伝虫を切ると、レンが以前この城に忘れて行ったサファイアの指輪を見つめ、笑みを深くしたのだった
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