クロスシリーズ

□五色の戦士、仮面の守護
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 響鬼が童子を倒し、そしてスーパーシンケンレッドがコエトリの一つ目の命……「一の目」と呼ばれるそれを撃破した瞬間。
 地響きと共に、七メートル近くの大きさを持つ異形が、咆哮と地響きを伴ってその場に姿を現した。
 茶色い、獣の毛皮のような物に覆われたそいつは、周囲の木々を枯らしながらこちらへと近付いてくる。それが響鬼達の言う魔化魍……ヤマビコだと気付くのに、そう時間はかからなかった。
 同時に、コエトリの二つ目の命……巨大化を伴う「二の目」も発動。ヤマビコの何倍も大きな体躯を持って、戦士達に襲い掛かる。
「…………こう見ると、魔化魍も小さくて可愛いもんだなぁ」
「何をしみじみと呑気な事言ってんすか、響鬼さぁん……」
 緊張感の欠片もない声で言った響鬼に、轟鬼がどこか情けない声を上げる。
 だが、その気持ちは、分からなくもない。魔化魍も充分に大きいが、二の目が出たアヤカシは、五十メートルを優に超えるのだから。
 そんなのと並ばれたら、「小さくて可愛い」と思えるのも道理だろう。
「……アヤカシは俺達が何とかする」
「悪いな青年。それじゃ、俺達はヤマビコ退治と行きますか」
 それだけ言うと……シンケンジャーは全侍合体ディスクを用いてサムライハオーを召喚し、鬼達はここからが本番と言わんばかりに、魔化魍へと向かって行ったのであった。



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