企画モノ

□拍手
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【Happy Hallowe'en-2】

「とりっく・おあ・とりーとなのー」
「……そもそも、こんな格好をしなくとも、私達自身が異形なのですから、本来の姿に戻ればいいだけでは?」
「彩塔さん、それは言っちゃダメな奴だ」

右側にはいやに露出の高い濃紫のドレスを身に纏った彩塔 硝子、左側には漆黒のマントを羽織り、頭から二本のねじくれた角を生やした灰猫 弓。そしてその真ん中には、ピンク色の三角帽をかぶり、棒の先に「☆」の形の飾りが付いた棒を持って笑う吾妻 霧雨。
彼女達に贈られてきた服に書かれていた紙を信じるならば、それぞれにサキュバス、魔王、魔女なのだそうだ。
その袋が届いた瞬間、硝子の顔が盛大に引きつった事は、言うまでもないだろう。
勿論送り主は彼女の兄だ。しかも何故か、仮面の変人との連名で送られてきた。どうやら服は斗李、その他の小物はクークが担当したらしい。

「どうしてこうも計ったかのように服のサイズはピッタリなんだ? しかも小物も、恐ろしいまでにフィット感物凄いんだが」
「しょこちゃんも弓にーちゃも、にあうー」
「ありがとうございます。霧雨さんも、ピンクの魔女さんが可愛らしいです。こちらはカボチャのクッキーです。どうぞ」

あらかじめ用意していたらしい小袋に入ったジャック・オ・ランタン型のカボチャクッキーを、硝子は目線を霧雨の高さに合わせて屈んでから手渡す。
恐らくは常の行動がそのまま出たのだろう。だが、今の彼女の格好を忘れてはならない。サキュバス……女性型の夢魔、もしくは淫魔などと呼ばれる者のソレなのだ。ましてその服を用意したのが、斗李であるならば、そこにモチーフへの妥協は一切ない。
大幅に襟ぐりの開いた服で屈めば、高い位置に立つ弓の視界に、意図せず強調された谷間が見える訳で。
二十五歳、健全な男性。そのまま覗いていたい欲望と、見てはならないという理性がせめぎ合う。が、そこは主人公補正でもかかっているのだろう。理性の方がほんの僅かな差で欲望を上回ったらしい。
何とか視線を硝子から外すと、彼はそれまでの自分の行動を誤魔化すかの如く、何もない空間へ向かって言葉を投げた。

「あー、まあ、何だ。ここで俺らの会話を見てるって事は、このダメHPに対して、多少の期待を持って二連で拍手をした、奇特な奴って事だな」
「先日までの拍手ページは、昨年の六月で止まっていましたからね。今回の拍手も、果たしてどれだけ持つのやら」
「それでも、よろしくなの。……う? 弓にーちゃ、お顔あかい?」
「…………気のせいだ」



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そんな訳で、二回目の拍手、ありがとうございます。
え? 拍手のネタが何となく二つともゲスいって?
……書き手がゲスいから仕方ありません (待て)。
「灰ガラス」の本編で、何だか弓が聖人君子のように硝子に対して純愛ってるので、多少は年相応のゲスい部分を出そうと思いました。後付けの理由ですが (をい)。

それでは、今後も何卒よろしくお願い申し上げます。


【辰巳の懺悔】
2014.10.9-2014.11.03までの拍手ページその2。
その1が、辰巳としては最も思い入れの深い「白刀&玄金」であったので、その2はお客様に人気の高い「灰ガラス」の面々にしました。
灰ガラス本編に、「恋愛」の「れ」の字もなくなりかけていたので、若干の「色っぽさ」を出してみようかな、と思って硝子の胸元を大きくはだけさせた物の、所詮はヘタレな虎。結局軌道修正しやがりました。チッ。
……すみません、ヘタレなのは私です。あれ以上「色っぽさ」が演出できなかっただけなんです。
まさに懺悔。
すまぬ灰猫弓。作者が私である以上、お前に色事は永遠に来ない。
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