企画モノ

□拍手
2ページ/5ページ

【Happy Hallowe'en】

「トリック・オア・トリぃぃぃぃぃぃトっ!」
「やかましいぞ、ワニ船長。……ああ、船長はワニではなかったか」

文字通り飛んできた玄金 武土は、ごっすという鈍い音を立てながら、その顔を白刀 風虎の肘にめり込ませ、顔にコニーデを作ってずるりと床の上に落ちた。
時期も時期である為なのか、彼の服装はいつもの「黒いタートルネックの上から白衣」ではなく、某「永遠の国」の緑の少年と敵対する海賊船長の格好をしている。
対する白刀も、いつもの白いパンツスーツではなく、同じ作品に登場する妖精の格好だ。
おまけに玄金避けなのだろうか、何故か妖精には相応しくない大きなワニのぬいぐるみを抱えている。ワニからはチックタックと秒針が時を刻む音が響いている辺り、彼女もなかなか芸が細かい。

「何故貴様はそうも変化がない?」
「え? 何が?」
「何年前か忘れたが、あの時も貴様は『Trick or Treat』を大絶叫した挙句、青器 龍水に水をかけられ撃沈したではないか」
「記憶にございません!」
「貴様の記憶力のなさに、驚きを禁じ得ないな。古巣『五色の戦士、仮面の守護』、第27話『トリノイドはアバレ足りない?』の後書きでの話だが?」
「……ソンナ過去ナンテ、ナカッタンダヨ?」

既に影も形も存在しないよう過去を持ち出されたとて、しらばくれてしまえば良いものの、うっすらと記憶の隅には残っているせいか、玄金は遠くを見つめつつも、カタコトで言葉を返した。
それを見て白刀は溜息を吐き出し、そして呆れ返った声で言う。

「それに、貴様の場合は『Trick or Treat』ではなく、『Trick and Treat』だろうが」
「バレてた!」
「当然だ。どれだけの付き合いがあると思っている?」
「ならば改めて……トリック・あーんど・トリぃぃぃぃぃぃト!」
「うるさい黙れ」

懲りもせず再び飛んできた玄金の顔に、今度は正拳を突きこんでカルデラにし、白刀は顔を押さえ悶絶する玄金を、仰向けの状態で踏みつけた。妖精の服は裾が短く、普段はパンツで隠されて見えない彼女の脚線美が顕わになる。色が白く、程よく筋肉のついた綺麗な足。それを、ある意味において、ベストポジションで堪能できるので、これはこれでアリ! などと、「白衣の変態」の二つ名に恥じぬ事を思いつつ、彼はおよそ妖精らしさの欠片も感じさせない、「物凄くイイ笑顔」を浮かべている彼女に問う。

「ところで、風虎ちゃんは言わないの? 『Trick or Treat』って」
「生憎と私は、『Trick(悪戯)』一択だ。貴様からの『Treat(接待)』など、最初から期待していない」
「え? ちょっ……うわわわわわわわっ!」



 :
 :
 :


拍手ページをちょっとした小話風に変えてみました。
とりあえず玄金はこの後白刀の綺麗なおみ足に踏みつけられ続けるといいよ (待て)。

それでは、拍手ありがとうございました。



【辰巳の懺悔】
2014.10.9-2014.11.03までの拍手ページその1。
放置しまくっていた拍手ページを、よそ様の拍手と同じように小話風にしてみようとチャレンジした結果がこれです。
玄金は……もとい、私の脳内は昔から進化していないようです。常に玄金がイベント事ではしゃぎ、それを女性陣が冷酷にツッコむのが形式美 (笑)。
しかし、何故に私はこの時、二人の仮装をピーターパンにしたんだろう。
未だ持って思い出せません (をい)。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ