薄桜鬼ss

□よくある、あれ。
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「……ん、……ああ…良いですね…」


「……、ここ、ですか…?」


 障子越しに、山南の吐息混じりの声が聞こえる。
次いで千鶴のいきむような力の入った声が漏れ聞こえ、息を殺して中の様子を伺う藤堂と山崎は両耳を塞ぎたい気分に駆られた。




「…何をしてるんだ、奴ら」


 山南の部屋の障子に張り付く様にして中の様子を伺っている二人を遠巻きに眺めていた沖田と原田に、ふらりと通りかかった斎藤が声を掛ける。


「可愛いよね、あの二人」


 面白い玩具を見るような目で彼らを見ながら、沖田は堪らずクスクスと笑う。


「なんか話が噛み合ってねぇなとは思ってたんだが…」


 呆れたように苦笑する原田は、悪いことをしてしまったかと内心彼らに申し訳なく思った。


「別に下のご奉仕なんて言ってないのにね。平助も山崎くんも、よっぽど"溜まってる"のかな?」


「疲れが…って意味じゃなさそうだな」


「あはは、鋭いね佐之さん。山南さんは疲れが溜まってるんだろうけど、あの二人は別のものが溜まってるんだよきっと」


「…全く話が見えん」



ーー馬鹿な子程可愛いってやつだよ。

 沖田は少し遠くで繰り広げられている光景を可笑しそうに眺めながらそう言った。


 その後部屋から出てきた山南に小一時間静かな説教を食らった藤堂と山崎に、沖田と原田は堪えきれず爆笑するのであった。



終い
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