比嘉
□超えられない壁。
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届かないことは、分かってた。
でも、願ってしまったんだ…
貴方と結ばれたいと。
「こんなところに、教師を呼び出して…君はどういうつもりなんですか?」
貴方は、いつものように冷たい口調で言った。
きっと、感じ取っているんだろう。
私の決意を…。
「…好きです。私、木手先生が好きなんですッ!!」
私の言葉を聞いた貴方は、予想通り、
「大人をからかって楽しいですか?
それに、本気だとしても…」
「ですよねッ!!迷惑かけて、すみませんでした…ッ。」
私は貴方の言葉を遮り、涙を堪えてそう言った。
すると貴方は、
「すみませんね…。でも、ありがとう。本当は、少し…嬉しかったのですよ。」
そう言いながら、私の頭を撫でて、職員室に戻っていった。
私は、その後姿を見ながら
「好き、だよ…。」
そう呟いた。
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