比嘉
□夕暮れ背中。
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「今日もいる。」
夕暮れの中の、大きな背中。
同じクラスの、知念寛――。
「おっきいなぁ…」
彼の身長は、193cmだ。
私にとっても、普通の人にとっても大きすぎるだろう。
テニス帰りの彼は、少しフラフラしながら歩く。
「あッ、危ないッ!!」
フラフラしすぎて、駐輪場の自転車にぶつかりそうになったが
その心配はなく、すぐに気付き自転車を避けた。
私はただ、彼の背中を見つめる――。
たった15分くらいの帰り道。
私の家に着く。
「好きだよ…」
私は、今日もまた夕暮れの中の彼の背中にそう告げた。
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