比嘉
□ずっと。
1ページ/1ページ
「貴女は何処にいるのですか…?」
俺の問いかけに、誰かが答えてくれるわけでもない。
ましてや、彼女が答えてくれるなどあるわけがない。
「貴女がいなくなって、もう1年ですよ…?」
そう、もう1年も俺は彼女を見ていない。
「…会いたい。貴女に会いたいです。
なんて、俺らしくないですよね。」
そう呟く度に、俺の頬を涙が伝う。
彼女の笑顔が好きだった。
彼女の怒った顔ですら、俺は大好きだった。
可愛くて、可愛くて…愛おしい。
「好きですよ…。」
俺がそう呟いたとき、
「あら、また来てくれてたの?
娘も幸せね。木手君みたいに、優しい彼氏がいたから。」
目の前に現れたのは彼女の母親だった。
俺は彼女の墓石の前で会釈し、その場を去った。
「俺は、ずっと貴女を愛します。
ずっと貴女が好きですよ…。」
_