氷帝

2番目。
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「なんや…
 また、アイツのこと考えてたんか?」
「侑士君…。」
「アイツはきっと咲に、
 こんな風に引きずられても、嬉しい無いと思うで?」

きっと、アイツはこうなることを少なくとも望んではいなかったはずや。
でも、咲は忘れたくないなんて言いよる。
アイツが生きていた頃の、大切な楽しい幸せな思い出を守りたいんやろ?

「でも…。」

俺やって、そんなことがあったら
忘れたくないって思うはずや…。
でも、そう思って優しくするんは
優しさやないと俺は思う。
そやから俺は、

「でもやあらへん。
 アイツは咲が生きてくれたら、
 きっと咲だけでも幸せになってくれると思ったんやないやろか?」

そう言った。

「そんなこと...無理だよ...。」
「無理やないと思うで?
 咲が諦めへんかったら、新しい恋もできるし、
 幸せになんか簡単になれるわ。」

お前はいつも「無理。」や言うて
諦めてしまう...。
せやから、俺はこう言った。

「俺と付きおうてくれんか?
 俺は2番でもええ…。
 せやから、アイツを1番に想てもええんや。」
「考えてみるね…。ありがとう、侑士君。」


考えてくれるだけでも俺は嬉しいで。
きっといつか、咲の中で俺が1番になったる…。


好きやで、咲。


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