青学
□君の腕の中。
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あと少し…。
あと少しで、私の命は尽きる。
「咲、苦しくないかい?」
心配そうに声をかけてくれるのは、私の大切な人。
「大丈夫だよ、隆。」
私は、笑って答える。
隆は、テニスで鍛えた腕で優しく私を抱きしめてくれた。
「好きだよ、咲。」
隆は、優しい声で優しい表情で愛をくれる。
私は、ただ頷くだけ…いつだって。
きっと好きと言ってしまえば、
きっと満足して死んでしまってもいいと思うから。
「隆……、好き…だよ。」
私の最期の好き。
隆にちゃんと届いたかな?
「ねぇ、隆…。私、隆の腕の中で死ねて…幸せ……だよ。」
「咲、ありがとう。俺なんかを好きになってくれて。」
「…う、ん。さよ…う…なら。」
命が尽きた時、隆はどんな顔をしてた?
私はきっと、笑ってたよね?
だって、隆の腕の中で死ねたから…。
隆、ありがとう…大好きだよ。
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