青学

君の腕の中。
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あと少し…。
あと少しで、私の命は尽きる。

「咲、苦しくないかい?」

心配そうに声をかけてくれるのは、私の大切な人。

「大丈夫だよ、隆。」

私は、笑って答える。
隆は、テニスで鍛えた腕で優しく私を抱きしめてくれた。

「好きだよ、咲。」

隆は、優しい声で優しい表情で愛をくれる。
私は、ただ頷くだけ…いつだって。
きっと好きと言ってしまえば、
きっと満足して死んでしまってもいいと思うから。



「隆……、好き…だよ。」

私の最期の好き。
隆にちゃんと届いたかな?

「ねぇ、隆…。私、隆の腕の中で死ねて…幸せ……だよ。」
「咲、ありがとう。俺なんかを好きになってくれて。」
「…う、ん。さよ…う…なら。」

命が尽きた時、隆はどんな顔をしてた?

私はきっと、笑ってたよね?
だって、隆の腕の中で死ねたから…。

隆、ありがとう…大好きだよ。


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