フォルダ2

□すべぷにもち。
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リビングに行くと、ネギトロが仲良くお互いの頬を触っていた。
ほら、『magnet』みたいな。

だから、ミク姉が何か変なことをやっていやしないかと一瞬不安になったけど……。まあ、見る限り大丈夫みたいだ。
2人は楽しそうに喋っている。


「ルカちゃんのほっぺ、すべすべだー!」

「ミク姉様のほっぺたは、ぷにぷにで気持ちいいです〜!」


どうやら、お互いのほっぺたについての感想を述べ合ってるらしい。うん、そういう会話は見てて和むなあ。
アタシは2人に近づいて声をかけた。


「2人共楽しそうだねー」

「あ、リンちゃん。あのね、ルカちゃんのほっぺ、すっべすべなんだよ!すっべすべ!」

「ミク姉様のほっぺたがぷにぷにで、触ってて楽しいのです」

「ルカちゃん、だったらこのほっぺたは、一生ルカちゃんに捧げるよ!」

「?ありがとうございます」

「ミク姉変なこと言わないで」


ミク姉の言った意味がよく分からないまま、笑顔でお礼を言うルカたん。
毎度のことながら、この子――って言っても、年は上だけど――は天然と言うか素直と言うか。

ミク姉に変なこと吹き込まれないよう、アタシがちゃんと注意してなきゃ。


「むむっ。そんなこと言うリンちゃんのほっぺなんか、こうしてやるー!」

「ちょ、ミク姉!?」


むにっ。

ふざけたミク姉に、アタシの右のほっぺたを伸ばされた。
するとミク姉の動きが止まった。何やら驚いた表情を浮かべている。

……何だ?


「……ミク姉、どうしたの?」

「……っ!!すっ、すごい!!
リンちゃんのほっぺた、すごい“もちもち”だ!」

「それはいいから離してよ」


何故だかミク姉のテンションが上がってしまい、アタシのほっぺたが伸び縮みさせられる。
伸びるからといって痛くない訳では無いので、正直止めて欲しい。


「ルカちゃんもホラ、触ってみなよ!」

「リン姉様、いいですか……?」

「ルカたんまで!?うん……まあ、いいけど……」

「し、失礼します……」


ルカたんの白い手がアタシのほっぺたに伸ばされる。

むにっ。


「すっ、すごいです……っ!!」

「でしょ!?リンちゃんのほっぺ、もち肌にも程があるよ!!」

「はあ……、さいですか……」


どうしよう、2人のテンションについて行けない。
イエスさんや、右のほっぺた伸ばされたら、左のほっぺたも伸ばされたよ。


アタシはそのまま、2人の気が済むまでほっぺたを遊ばれていたのだった……。





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