フォルダ1

□雨の日。
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今日は朝から雨が降っている。予報では明日まで降るらしい。
サーッという静かな雨音が、開けている窓から入ってくる。

最初は、雨に濡れると床が痛むと説得しようとしたのだが、ルカが残念そうな顔をしたので床は諦めた。
ルカが珍しくしょんぼりとした顔をしたので、つい、「閉めなくていい」と言ってしまったのだ。

それからルカは、窓の前に座ったまま、じっと外を眺めている。時々目をつぶっているから、雨音を聞いているのかもしれない。

まあ、どっちだっていいさ。

俺はルカの隣で、本を読んでいた。昼飯を食べてから、俺達はずっとこの状態だ。


「がくぽ」

「うん?」


服の裾を引っ張られる。
ルカを見ると、ルカは口を開いた。


「散歩に行きましょう」

「散歩?」

「はい」


俺の耳にはしっかりと雨音が聞こえている。


「雨だよ?」

「はい。雨ですが」

「……分かった。行こう」

「はい」


そう返事したルカの顔は、どこか嬉しそうに見える。
ルカはあんまり表情が変わらないから、俺の気のせいかもしれないけど。

ルカはすぐに、準備のためにリビングから出て行った。


なるほど。
ルカは雨が好きだったのか……。
 
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