フォルダ1

□2人で。
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俺は買い物袋を持ちながら、ルカに声をかけた。


「ルカ、買い物行くよー」

「はい。ちょっと待ってください」


ルカは、聴いていたスピーカーの電源を消しながら返事した。ソファから立ち上がり、リビングを出ていく。
コートはいつも玄関にかけてあるから、財布でも取りに行ったんだろう。

俺は財布の中身を確認してから、下駄を履いて玄関で待つ。
今着ているのは着物ではなく洋服だが、以前ルカが、下駄で歩く時の音が面白くて好きだと言ったから。

少し待つと、ルカが手ぶらで階段を下りてきた。近所のスーパーへ行くだけなので、バッグは必要無いと考えたんだろう。
玄関にかけてあるブラウンのコートを着てから、ルカは俺を見て怪訝そうな顔をする。


「貴方はそれで平気なんですか?」

「上着のことか?俺は寒さには強いから、これで平気。
寒かったとしても、ルカに温めてもらうからwww」

「……持ち物、マグロやタコじゃなく、グラッドンソードがよかったです」

「マグロでいいよ!ルカにはマグロが似合ってる!」

「嬉しいですが、微妙ですね」


そうこうしている間に、ルカも靴を履き終わった。

ストレートに「殴る」とか言わないでも脅せるとか、どんな才能だ。やれやれ。誰だ、ルカにそんなこと教えたの。


「じゃ、行こうか」


玄関のドアを開けた。ルカが出るのを待って俺も出る。
ルカは歩道に立って、俺を待っている。

そして、どちらからともなく手を繋いで歩き出した。
 
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