オリジナル

□『桜の話』 No.4
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舗装された散歩道をてこてこ歩いて、広場についた。

そういえば、途中に花とか鯉とかいたなあ。みゃーくん連れて後で散歩しよう。
と、僕は固く心に誓ったのであった。後編にぃ〜、続く!

……はい、スベリましたねー。


広場は色んなグループが、シートを広げて花見していた。
親子連れや、会社とかそこら辺のグループ。おや、あれは大学生かな?
バトミントンやキャッチボールをやっている人もいる。

始めて来たけど、とっても綺麗な所だ。
いい感じに賑やかで、花見客も下品じゃない程度に上品じゃない。
庶民派の紳士な僕には丁度いい。テンションすげー上げられる。

高ちゃん先生もいいトコ連れてきてくれたなあ、感謝しなきゃ。
高ちゃん先生にもいいトコあったんだなあ。


「オーダー通しまーす。シートはよ持ってきいや――」

「あ、はいはい、ただいまー」

「おかえりー」


紙コップをそこらに投げ捨て、でっかいシートを広げる。
む、なかなかでかいな。がさごそがさごそがさがさがさごそ…………っておいこら!


「ばかでかいねこのシート!!買ってきたのはどちら様!?」

「10L選んでみました☆」

「てめぇかよハヤト!!こんなんどこに売ってたんだ!?」

「何や知らんけど、Lから9L売り切れとってなぁ。それしかなかったんよ」

「どんな需要があるの!?ていうか、そんなサイズがあったのか!!」


世界にはまだまだ知らないことがたくさんあった!!

10Lのシートは、広げてみると50m×50mでした。はっはっは。さすがに5人には大きすぎる。

作った人の脳天かち割って見てみたいです。あと買ってきた人の脳天も。
トンカチないのが残念だ。ほんと残念だ。

仕方ないから適度に折り畳んで使うことにした。うん、丁度いい。


「や〜、疲れた疲れた」


高ちゃん先生がビニール袋を芝生に置いて、シートに倒れ込んだ。オッサンくさい。

僕もノリで倒れ込む。すると、皐月とハヤトも倒れ込んできた。

ちょ、重箱!?あぁ、ちゃんと置いてある。

紫乃さんは優雅にシートにお座った。やべ尊敬語めんどごほんごほん。
「あーっ、腹減った!!」


皐月が叫ぶ。と同時に、ハヤトのお腹が鳴った。

本人空気読めないのに、お腹は空気読めるんだ!?
お腹の方が価値あるかも!
 
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