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先程警報が鳴りました。
サダコさんが逃げ出したそうです。かなりのがっつで逃げ出したそうです。
きっと鬼灯様が何とかしてくれるでしょう。
私は皆さんがサダコさんに気を持ってかれているこの隙に自主休憩に入ろうと…、

「あ、名前ちゃん。これ、鬼灯様に渡しといて。」

…思っていたのですが無理そうです。
いつかこの上司の自主休憩中に仕事を増やしてやろうと思います。
ふう、やれやれ。
溜め息混じりに資料を受けとり、私は早速鬼灯様探しの旅に行って参りまーす。


♂♀


「鬼灯さまー、鬼灯さまー。…あ。」

テレビを囲んでいる集団の中に探し求めていた鬼灯様の姿もいらっしゃいました。
皆で観賞会でしょうか。
お楽しみを邪魔するようで申し訳ありませんが、この資料を渡さないと私の仕事が終わらないので失礼します。

「鬼灯さまー」

「呪ってやるううギャバッ!?」

「鬼灯さまー」

横から何か黒い塊が飛んできたので、虫か何かでしょうか、持っていたバインダーで叩き落としておきました。なかなかの手応え。
ですがそんなことよりもこの資料を鬼灯様に届けなければ。

「これ、阿鼻地獄からの提出物です。」

「お手柄ですよ、苗字さん。」

鬼灯様に褒められました。
資料を届けたくらいで何だか大袈裟な気がしますが、褒められて嫌な気はしません。
今日も一日頑張れそうです。



後日、聞いた話によると、サダコさんは無事に捕まったそうです。



黒い塊が、言わずもがな、サダコさんです。

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