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□06
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「チップさんとデールさんじゃないですか」

「あー、名前姉さんだ!」

「名前姉さん、こんにちは。それから俺たち、チップとデールじゃなくて唐瓜と茄子です。」

今日も新卒の二人は可愛いです。


♂♀


「仕事はどうしたんですか?」

「今日はお休みです。暇なんでふらふらしてたら、三途の川の方から歌が聞こえたので来てみたんです」

「おにーのパンツは良いパンツ!」

「ああ、その歌です」

彼らは私のお気に入りの新卒さん。
黒髪のしっかり者がチップこと唐瓜くん、ふわふわした髪に三本の角が特徴的なうっかりさんがデールこと茄子くんです。
会う度に飴をあげていたら懐かれました。
この二人、見ていて和みます。
部署は違えど、私の可愛い後輩です。

「名前姉さんは虎皮のパンツどう思う?」

「ちょっ…姉さんに何聞いてんだよ!」

「虎皮ですか…」

茄子くんが歌っていたあの歌詞の通り、もしかしたら強そうに見えるかもしれませんね。
しかし、下着一枚でうろつくとなると、わいせつ罪で訴えられそうです。
いえ、それよりも…。

「虎の絶滅危機が更に深刻化しそうですから断固反対です」

「…そ、そうですか」

「あの巨大な肉きゅうが減少してしまうのは心が痛みます」

「姉さんは虎が好きなんだね!」

「はい、飼いたいです」

「飼いたいんですか!?」

「飼いたいです」

成長したら、その背中に乗って通勤したいくらいです。

「ところでさァ、あの歌ってなんだろうな。趣旨がよくわかんねーよな」

「え?鬼のパンツ製作会社の販促ソングじゃねぇの?」

「違いますよ」

「あっ」

鬼灯様です。
各所の巡回でしょうか。
最近よくお会いしますね。

「鬼灯様、こんにちは」

「こんにちは。…さっきから内容が気になって聞いてしまいましたが……、おしゃべりしないで仕事してください」

「ごめんなさい」

「すみません。私、お仕事の邪魔をしてしまいましたね」

「いいえ、そんな!」

飴ちゃんあげるので許して下さい。
いつも懐に装備している甘味袋から、飴玉を今日はいつもより多めに取り出しました。
ちなみに喧嘩になると困るので、いつも同じ味を同じ数ずつあげています。
ああ、そうだ。

「鬼灯様もいかがですか」

「頂きます。」

疲れた時には甘いもの、です。
甘いものを食べると落ち着きます。
さて…これ以上お邪魔にならないよう、私はそろそろ退散するとしましょう。
残りのお勤め、頑張って下さい。




後日、茄子くんに語尾に「だっちゃ」を付けるようお願いされました。



「『真面目にお仕事しないと許さないっちゃ!』…こんな感じですか」

「おお!何だかやる気が出てきた!」

「茄子くん、手をかざして私の首から下を視界から隠して何を考えているのかは深く追求しませんが、下手して衆合地獄に堕ちないようにして下さいね」


唐瓜と茄子はペアで弟に欲しい。

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