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今日は思っていた以上に仕事に時間を掛けてしまいました。
後はこの報告書を鬼灯様に提出すれば今日の仕事は終了です。
こんな時間にまだいらっしゃるだろうかと不安でしたが、流石は地獄一多忙な鬼灯様、いらっしゃいました。
鬼灯様の机にはまだまだ仕事が積み重なっています。
この量だと今晩は徹夜でしょう。
「報告書持ってきました」
「ああ…ありがとうございます。そこに置いといて下さい。」
「はいはーい」
「お疲れ様でした。」
「………」
いつものように「『はい』は一回」と注意する暇すら無いようですね。
少し寂しいです。いえ、虚しいですね。
ですが私が今するべきことはこれ以上お邪魔にならないよう、ここから素早く退散するのみです。
お疲れ様です、鬼灯様。
お仕事頑張ってください。
それでは、失礼します。
…うーん。
「…何をなさっているんです?」
「机と椅子を用意しています」
「それは分かりますが…」
「これは…ココに判子を押せばいいんですね」
「はい、そうです……いえ、ですから…」
仕事が溜まりすぎて、頭がよく回っていないようですね。
脳に糖分が足りていない証拠です。
疲れた時には甘いもの、それは自然のセオリー。
鬼灯様の机の上にある紙の山の幾つかを、出した机に移動させ、未だ状況がよく分かっていらっしゃらない鬼灯様の方に向き直って口を開きます。
「お手伝い、しますよ」
棒付きキャンディーを鬼灯様の口に突っ込んで、さて、もう一踏ん張り頑張りましょう。
昼間、ニャパラッチが来て仕事溜まっちゃった鬼灯様を手伝うお話。