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敵が来たら、タイミング良く、登場しましょう。

飛び上がって格好良くきめるのもアリです。

そして相手が呆けている隙に、容赦無く金棒を振り下ろしましょう。

躊躇いは無用です。

思いっきりやってしまって構いません。

でもクレーターが出来きてしまう程だと、少し張り切り過ぎです。

その心意気はべりーべりーぐっじょぶですが、修理代がかかるので経済面の方もちゃんと考慮に入れましょう。

「それでは皆さん、頑張って殺ってきて下さい」

「「「はい!」」」

今日は衆合地獄でお手伝いです。


♂♀


何故こんなことをしているかと言うと、切っ掛けはある一本の電話からでした。
相手は私の友人であるお香ちゃんからで、その内容は、今衆合地獄が手不足なので私に手伝ってもらいたいとのこと。
具体的には、亡者の裁きと新卒の方の指導です。
裁きの方は阿鼻で慣れているので特に問題はなかったのですが、指導の方はあまりやったことがないので苦労しました。
ものを教える立場は中々大変ですね。
始めは私語が多かったり余所を向いたりとまるで学級崩壊のような光景が広がっていたのですが、一度お手本を見せたら皆最後まで黙って聞いてくれました。皆良い子達ですね。今後の活躍に期待大です。

そんな感じで何とか指導を終え、今は亡者に集中してます。
ちなみに私は男性を誘惑する色気は持っていないので、亡者をボコボコにする方の担当です。

「名前ちゃん、お疲れ様」

「あ、お香ちゃん…、それと鬼灯様と唐瓜くんと茄子くんじゃないですか」

皆さん勢揃いですね。
話を聞けば、唐瓜くんが将来衆合地獄で働きたいので見学に来ているそうです。
うーん、お香ちゃん狙いとみました。
頑張って下さい、唐瓜くん。
お姉さんは密かに応援していますよ。

「それより…貴方はココで何をしているんです。阿鼻勤務でしょう?」

「お手伝い、ですよ」

困ってる人は、ついつい手を貸してしまうのです。
そう言うと、鬼灯様は少し呆れたような顔をなさって、程々にして下さいねと言いました。
休みは休む為にあるんですから、と。

「家に居てもやることないので暇です」

「体を休めるということがあるでしょう。」

「退屈なのは嫌いです」

「疲れが溜まったままだと体を壊しますよ。」

「鬼灯様、お母さんみたい」

「………。」

今、無言で圧力を掛けられてます。
またやってしまいました。
またふざける相手を間違えました。
もう鬼灯様を茶化したりしません。すみませんでした。
でも安心して下さい、鬼灯様。
ちゃんと伝わっていますから。分かってますから。

「心配してくれてありがとうございます」

「……ただ仕事に支障を出してほしくないだけです。最終的に私の所に回ってくるんですから…、私の仕事を増やさないで下さい。」

「お香ちゃんお香ちゃん、これが噂のツンデレってやつですか」

「殴りますよ」

殴られました。
言いながらやるの止めてください。
でも鬼灯様をからかうの、なかなか面白いです。




後日、お手伝いのご褒美に、鬼灯様が甘味を奢ってくれました。



3巻が見つからないまま書き終えてしまった…。
もう買うしかないのか、二冊目ェ…。
追記:見つかりました。

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