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□姫川ふぁん倶楽部♯1
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発端は湯田の一言であった。

「確かに主任最近キレイになりましたよね」


【姫川ファン倶楽部♯1】


葉山、日下、そして部屋にいた数人の刑事が一斉に湯田の言葉に耳を傾ける。


「主任はもともと美人じゃないか。急にどうした?湯田。」
「いやー。さっき今泉係長“最近の姫川艶っぽくなってきてる”って言ってるの聞いたんですけど本当にそうだなって思って。」

(まさか今泉係長までライバルとは!!)
バキンっと音を立ててボールペンを折る葉山。

「まぁ元々美人だなぁーっとは思ってたんすけど、そう言われてさっき主任見てみたら確かに色っぽくなってきたなって。いいっすよねぇ主任。」
「お前には無理だ。」
いつの間にか湯田の背後に立つ日下。これ以上その話はするなという空気を醸し出しまくる。

「玲子ちゃんは誰にも渡しまへんで!!!」
「!井岡、お前どこから!」
「玲子ちゃんファンクラブ1号のこの井岡を差し置いて玲子ちゃんの話をすることは許しません!」
玲子命のハチマキをかばんから取り出し、頭に巻き付ける。
その時かばんからハチマキ以外にアルバムらしいものが床に落ちたのを葉山は見逃さなかった。
アルバムの表紙にはマル秘という文字が大きく書いてある。

「ま…まさかそれ…」
今まで沈黙を守ったいた葉山が静かに立ち上がりながらおそるおそる口を開く。

「ふふふふ。これはファンクラブ会員しか閲覧でけへん玲子ちゃんの写真集や!」
見せませんで!っとかばんに直そうとする井岡の右手をぐっと掴む日下。

「なにしはるんですかー!暴力反対!」
アルバムを胸に抱き死守する井岡。
そんな井岡にぽつりと日下が呟く。


「…そのファンクラブの話、詳しく聞かせろ。」


先を越された!と愕然とする葉山。
自分も入りたいですー!と挙手する湯田。

今日も本庁は平和である。

…………………

一方、場所は変わって地下の資料室。


「ん…ぁ…」
ちゅっと啄むようなキスをしていたはずなのにいつの間にか菊田の舌に絡めとられ、シャツのボタンも3つ目まで外されている。
菊田の角度からは絶品の光景が目に入っていた。
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