あい__

□今年2回目の雪の日。(続)
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緑side




季節は春、

ヤスと別れて
3ヶ月以上が過ぎた。




今、俺は亮ちゃんの家で
2人でくつろいでる。



俺はヤスへの気持ちに気付いたものの、まだこうして亮ちゃんと付き合っていた。


安心感だけのために、付き合ってるっていう感じだろうか。



黄「忠義ーっ」

亮ちゃんは名前を呼んで
抱きついてきた。

それを、受け入れる俺。


求められたら、受け入れるだけ。

最近はそんなんばっかり。




何故か、亮ちゃんは悲しそうな表情を浮かべ、俺から静かに離れた。


緑「ん?亮ちゃん?」


黄「…………大倉さ、最近ずっと
…誰のこと考えてるん?」

緑「………え?」


真っ直ぐな瞳で、投げかけられた質問に間抜けな声をだしてしまった。


もちろん、頭に
よぎるのはヤスで…



黄「最近、大倉ずっと上の空やん。

……ヤスやろ?
まだ好きなんやろ?

好きなんやったら、俺と別れて。
そんな…、そんな中途半端な気持ちで付き合いたない。

そんな大倉やったら嫌いや…」


緑「っ、」


ポロポロと涙でを零しながら言う亮ちゃん。

俺はその様子を黙って見つめることしかできなかった。



…俺はヤスだけでなく、亮ちゃんもこんなに傷付けてたんやな。


ほんま最低やな、俺。




黄「今の大倉はさ…、
俺とヤスどっちのが好きなん?」

その質問に俺は俯いてしまった。


緑「………ごめん」


俯きながら言った言葉。

それはヤスが好きやってこと。



黄「…………分かった。
…今までありがとうなっ。
これからはメンバーとして
よろしく!……頑張れよっ」


涙で赤くなってしまった目で
亮ちゃんは笑いながら言う。



緑「ごめん。…ありがとう」

黄「もーごめんって言うなや!
余計悲しなるやんけっ!
……じゃーなっ」

泣きそうな顔で笑いながら言い、
俺の背中を弱く押した。



緑「……今までありがとう」

出り際にそう言い残し、
その場を出た。




玄関の扉を閉めた瞬間、中から聞こえてきた泣き叫ぶ声。


その声にひどく胸が痛んだ。




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