あい__

□今年2回目の雪の日。 (続)
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青side





あの出来事が起こってからも、
僕は以前と変わらず、大倉を避けるようしていた。


その度に、わずかに悲し気な表情を浮かべる大倉。


何で?
何でそんな顔するん?

区切りつけられんくなるやんか。



けど、今の僕には渋やんが居る。

僕の心の支えの渋やんが




赤「ヤスっ、今日は前言ってたとこ呑みに行こうや」

青「うん!行こ行こっ」



でも何故?頭の隅に、大倉の悲し気な表情がちらつくのは。

僕に必要なのは
渋やん、渋やんだけやのに。




赤「―…ス、なぁヤス!」

青「ふえっ?
え、あっ、ごめん!何やったけ?」


考えていて、聞くことを忘れてしまっていたようだ。



赤「……ヤス、今
誰のこと考えてた?」

青「っ、」


渋やんに聞かれ、思わず言葉が詰まってしまった。



赤「……俺はヤスのことが好きや」


『僕も。』
そう答えようとした僕の言葉を遮るように、渋やんが口を開いた。

赤「やから、ヤスには笑っててほしいねん。でもそれが出来るんは、俺ちゃう」


“やからほら、今考えてたやつのところ行ってこいや。”

そう渋やんは、僕の背中を押した。



青「でも…っ「早よ行けや!」赤

渋やんは下を向いたまま、僕を怒鳴った。




青「……っ、

ごめん…、ありがとう…っ」


最後にそう告げ、
僕は大倉の元へと走った。

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