あい__
□たった一言
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紫side
俺は、
黒「ヒナっ」
紫「ん?」
黒「俺、またドラマ決まったねん!」
紫「…そっか。良かったやんけ!」
黒「おぅ!」
ちゃんと笑えているだろうか。
ここ最近、俺の恋人であるヨコは
ドラマなりバラエティーなり、すごく多忙である。
そのためか、
自然と会う機会が少なくなった。
同じ仕事で会っても、仕事で話すくらいになってしまった。
メンバー全員での仕事もあるが、
そんな短な時間でさえ、あいつはすばるとずっとゲームをしている。
マルはそれを優しげに微笑んで見ているのだが、俺にはそうできなかった。
俺はマルみたいな器が大きいやつやないねん。
もっとちっぽけなやつやねん。
寂しい?やきもち?
そんなん大人げなくて言ってられへん。
でも、でもな、
やっぱり寂しいやんか。
不安になるやんか。
なんかほんまに付き合ってるんか、最近分からんくなってきてもうた。
もう俺のこと好きじゃなくなったんじゃないか、と頭の中を過る。
「村上さん、次お願いしまーす」
ドアが開いてスタッフの声が響く。
滲み出そうになった涙を堪え、
俺はスタジオへと向かった。