。。忍(長編)。。
□先生のたまご、先たま!!
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「「「な…なんで〜?」」」
いきなりの敵登場にうろたえ、慌てる忍たまたちに雷鬼は余裕の笑みを浮かべた。
ゆりは、入れ替わったドクタケの密書を追って3人の後をつけていた。
〈あー…コイツまだいたんだっけ?〉
少しおびえた目の3人に向かって雷鬼が手を伸ばした。
「お前らの持っている密書を寄こせ」
「だ〜れがタダで渡すかよ!!」
「きりちゃん…そういう問題じゃないでしょ…」
ケンカ腰のきり丸を乱太郎がなだめた。
「いいから寄こせ!!
俺はあんまり気が長い方じゃないんだぜ?」
「「きり丸!!」」
雷鬼は刀を取り出し、切先をきり丸に向けた。
さっきまでケンカ腰だったきり丸は、くっと唇をかみしめた。
「ぐあっ!!」
悲鳴(?)とりあえず痛そうな声と共に、刀が雷鬼の手から離れ地面に落ちた。
その手には手裏剣が刺さっていた。
「子供相手に何ムキになってるのよ」
そう言って、3人と雷鬼の間にゆりは立った。
いきなり現れたくの一に、3人は口をぱくぱくさせて見ているだけだった。
手裏剣を抜いた手をさすりながら、雷鬼がゆりのことを見た。
「くっ…お前は…誰だ!?」
「大丈夫だった?たくさん走って偉かったね〜」
「俺を無視するなーーーー!!!!!」
背を向け3人に話しかけるゆりに向かって、雷鬼は刺さっていた手裏剣を投げつけた。
が、瞬時に振り返り車がえしの術で手裏剣を袴の紐めがけて投げ返した。
「ぎゃーーーー!!!」
「ビンゴ♪」
見事に袴の紐が切れ、ぱらりと袴が地面に落ちた。
ふんどし姿の雷鬼は顔を赤らめ、必死に袴を上にあげた。
「お、お前!!何するんだ!!
この俺の…俺の…袴を!!なんてことするんだ!!」
ゴッ!!
「うるさいな。少し黙っててよ」
「「「ヒッ!!」」」
ゆりは雷鬼の顔めがけて迷うことなくパンチした。
地面に伸びた雷鬼のサングラスは割れ、鼻血が少し垂れていた。
乱太郎・きり丸・しんべえの3人は、仲間か敵かわからないくの一がいきなり強烈パンチを繰り出したのを目の前にしておびえていた。