。。忍(長編)。。

□番外編*先たまと6年生!(前編)
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教室に行くと、さっそくクラスメイトたちに騒がれた。
でも私だけじゃなくって、もうひとり女みたいなやつと一緒に騒がれた。

「お前ら、まるで女みたいな顔だな!」
「本当は女なんじゃねーの?」
「オカマみてー!!」

「なんだとー!!お前ら、おれたちがキレイだからって妬んでんじゃねー!!」

…。くそ!オカマとかうるせーよ。
ちゃんと男らしくしてるのに、女とか言うなよ。
きっとあいつも腹を立てているはず。
私がこう言えば、きっとあいつもそうだそうだ!!って言うはず。
…あれ?言ってこない。なんで?
ひとりで涼しい顔しちゃって、なんか悔しい。

「お前もなんか言ってやれよ!!勝手に言われて悔しくないのか?」

チラっとこっちを見てフンっと鼻で笑われた。

「別に…勝手に言わせておけばいいだろ?それに、冗談を本気にするだけ無駄だろ?」

「え?冗談なのか?」

え?冗談?ジョークってやつ?
普通にバカにされてるのかと思った。
なんだ。とりあえずケンカ売るなよってことを伝えたら、なんかみんなビビってた。
しかも目あわせてくれなかったし。なんでだろ?

しれーっとした態度を貫いてたやつは、立花仙蔵ってやつだった。
切れ目で、可愛いというよりキレイって言葉があてはまる。そんなヤツ。髪もサラサラだし。
仙蔵は火器に詳しくて、私も火器が好きだったから自然と仲良くなった。

2人でいると、よくくの一のお姉さまたちに騒がれた。
可愛いとかお人形さんみたいとか、妹にしたいとか…
仙蔵はそういうの面倒だとか言って、全部無視してた。
でも、そういうの無視出来ない私はお姉さま方の餌食となった。

髪の毛結わして〜とか
紅つけてみようよ〜とか
ちょっと女装してみて〜とか

また今度!って笑顔で言うとたいていは逃げることができた。
仙蔵からは「お前、いつかは捕まるんじゃないか?お人好しめ」って言われた。
女の人にキャーキャー言われるのって複雑。
だって、自分も女なわけだし…言えないけど。

でも、キャーキャー騒がれてるせいで、一部の上級生からはちょっと嫌われていた。
いい気になるな一年ボーズとか言われたし。
どうも、その上級生の好きな人が私のことを一番可愛がってくれたくの一で、それが気に食わなかったみたい。
でも多くの先輩は優しかったから、ほとんど気にしなかった。



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