。。忍(長編)。。

□番外編*先たまと6年生!(後編)
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「ん……」

「ゆい、苦しい?」

「う…ん、ちょい…苦しい」

「そのうち慣れるよ」

「なんだそりゃ…これじゃ身動きとれないじゃんか」

「動けなくするのがいいんじゃない」

「そういうものなのか?」

「そういうもの」


保健室からは、ゆいと伊作の声しか聞こえない…あと息遣い。
なんだ?こいつらは何してるんだ?身動きとれなくするとか…一体何してやがる!!

里帰りから学園に戻ってきた文次郎は、保健室の前で悶々と悩んでいた。
学園へ来る途中、不覚にも木に引っ掛かり腕を少し切ってしまった。
真新しい制服に血をつけるのも嫌なので、保健室に来てみたものの…
中からは、何というか…いかがわしい言葉ばかりが聞こえてくる。

「おい、伊作…何するんだ!!」

「ほら、ゆいってば動かないでよ」

「いーやーだ!伊作、絶対楽しんでるだろ」

「そんなことないって、ほら」

「お前ら!!一体何をやってるん…だ?」

居ても立ってもいられなくなった文次郎が、保健室の戸を開けると包帯でぐるぐる巻きにされているゆいがいた。
両手と両足を巻かれており、横に倒れてもがいていた。

「文次郎も登校したんだね」

「文次郎〜!!お前、いいところに来た。
これ、ほどいてくれ!!伊作のやつが面白がって…」

伊作がにこにこしながら、包帯でぐるぐる巻きのゆいに、まだ包帯を巻きつけていた。
確かに、これでは身動きとれないな…と文次郎は思った。
それにしても、なんだ?このモヤモヤは…
なんか知らんが、伊作に対して少しイライラする…。

「ゆいが包帯の巻き方を披露してくれたんだけど、あまりにも下手だったから教えて上げてたんだ」

「だからってここまでするか?おれ、これじゃ芋虫じゃんかよ…」

「あはは〜、じゃあ僕がお世話してあげるよ」

イライラ…イライラ…

「なにがお世話だ!!いいからほどけよ〜…」

イライライラ…イライライラ…



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