MONSTER HUNTER ORIGINAL STORY
□水晶の大暴動
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二年前。俺は何も出来なかった。
いや、正確に言ってしまえば行動が出来なかった。
立ち尽くす事は出来た。けれど、それで何か結果が変わったかと言えば、変わってないと俺は断言できる。
だって、俺はただただ弱かったのだから。
足手まといが一人増えるだけ。
ベテランの凄腕が何人も駆り出され、狩られていくのをただ呆然と見ていて、俺はそう感じたのだ。
あの龍は、誰にも倒せない。
恐怖で足がすくんだ。
震えが止まらなかった。
それでも、俺は、視線だけはまっすぐ、その巨大龍に向けていた。
敵意と殺意だけは充分に含んだ視線だったと思う。自分的に。
そして、その巨大龍は気分の済むまで俺の村で好きなだけ暴れて去っていった。
俺なんかには目もくれず、挑んでくる勇敢なハンターを蹴散らし続けながら、地を後にした。
追跡も出来ず、その巨大龍は姿を消した。
それ以来、この村には特に大きな事件は起きていない。
ギルドに寄せられるモンスターの討伐依頼は残ったハンターたちで消化し、平和を保てるほどには復興した。
しかし、唯一悪い方向に変わったことと言えば──旧モンスターの生態系の変化、そして、新種のモンスターの出現、だった。
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