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□契約彼氏に恋をする10題
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契約彼氏に恋をする10題ただの契約のはずだった

1.この恋を止められない

「篠原 、この書類のコピー頼む」
部長に言われて受け取った資料



止めてるクリップにすぐに目がいく



赤いクリップ



それは私たちの合図

私がコピーを終える頃、
部長の席にはもう姿が見えない


書類を部長のデスクに置き会議室へと足を運ぶ


ガチャ


ドアの向こうには机の上に腰掛け窓の外を見る部長の姿



"部長"

と声をかけると
視線を私に向ける


「遅すぎっ、コピー1つに何分かかってんだよ」


『ごめんなさい…』

「こっち来い」

部長の傍までいくと

腕をひかれそのまま部長の胸のなかにおさめられた


ふわっと部長の香水の匂いがして落ち着く

「それと、部長じゃなくて大輔だろ?」


『だいす……んぅ…はぁ』

名前を言い終わるより先にキスが降ってくる


「…今日は行くから待ってて」

『ん、わかった』

別に社内恋愛が禁止なわけじゃない。


コソコソしなきゃならないのは
大輔には奥さんがいるから


いけないことだとわかってた

でも部長が好きで好きでたまらなくて
気持ちだけでも伝えようと部長に告白をしたら

「いいよ、付き合っても、
でも1つ条件がある。」





"最後は家庭に戻る"



バカげてる
普通ならそんな条件飲まないだろう


だけど私は大輔の手をとってしまった

いつか終わりが来るとわかっていても…

この恋を止められない
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