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□Salvia 1
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AM.5:00
まだ静寂な住宅街でここ真田家は今日も賑やか。
「ふんっ…ふんっ!」
真田家長男である弦一郎は朝から竹刀を片手に朝稽古をしていた。
「ちょっと弦一郎、朝からうるさいんだけど “俺の”かわいい、かわいい雅治が起きたらどうするの 」
朝から機嫌の悪い次男、精市は兄である弦一郎を睨みつけていた。
「せ、精市おはよう。」
「っち…だいたい弦一郎はいつもいつも…」
「精市、そのくらいにしておけ。それこそ雅治が起きるぞ。」
真田家三男の蓮二が二人の間に入った。しかし蓮二は、
「しかし、この朝早くから弦一郎は俺たちに恥をかかせたいのか?近所迷惑も考えろ。分かったなら、さっさと出勤したらどうなんだ?」
言うだけ言い、そくささとキッチンへむかった。
「む…」