孤独の果てに

□プロローグ
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さむい・・・。 ここはどこ・・・?
誰もいない・・・。
独り・・・? 独りぼっちなのかな・・・。
こわいなぁ・・・。 くるしいなぁ・・・。
さびしいなぁ・・・。 かなしいなぁ・・・。


どうして・・・?
どうしてそんな女の言うことを信じるの・・・?
僕はいらない・・・?
だからそんなことをいうの・・・?
だから傷つけるの・・・?
痛い・・・。 痛いなぁ・・・。
彼らに付けられた傷じゃなくて・・・心が痛い・・・。
ああ・・・。 だんだん感覚がマヒしてくる・・・。
もう痛めつけられてもなにも感じない・・・。
触れた時の感覚はあるけど・・・。
味覚と痛覚がない・・・。
目に映る世界にも・・・。 もう色なんてない・・・。
心も・・・いつかなくなるんだろうか。
でも・・・。 でも、まだ大丈夫だ・・・。
だって僕にはまだ好きなものがある・・・。
それは小説の中の住人・・・。 助けてなんてくれない・・・。
分かってる・・・。 分かってるんだ・・・。
ああでも・・・。 最後が・・・。
命の終わりに思うことがこれなんだ・・・。
僕はもう彼らのことはどうも思ってないんだろうな・・・。
ああ・・・。 もうすぐ地面とご対面だ・・・。
こういうとき痛覚がないのって楽だな・・・なんて。
ああ・・・うん。
彼らをどうも思っていないってのは嘘だな・・・。
僕は・・・。
僕は彼らを殺したいほど憎んでいる・・・。
なのに・・・。 なのにもうどうしようもないなんて・・・。
傷一つ彼らに傷をつけないで終わるなんて・・・。
ああでも・・・。 あの女の嘘はいつかはばれるんだろうな・・・。
ふふふっ・・・。 その時に絶望すればいいよ・・・。 僕を落としたことに・・・。
ああ・・・本当に。
「憎い彼らに災いを・・・」
さようなら・・・。 大っきらいなこの世界。




その日、彼らに殺された"僕"。
真っ白だった"僕"・・・。
そんな"僕"を黒く染めたのは大っきらいな彼ら・・・。
"僕"に懺悔し後悔しろ・・・。
僕はけっして許さない・・・。
許してなんて・・・やるもんか。

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