孤独の果てに

□はじまりの邂逅
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「ぅ・・・ぅうん・・・?」
あれ・・・? どうして・・・? どうして声が出るの・・・?
僕はしんだはず・・・。
いや・・・。 "はず"・・・じゃない。 あの高さから落ちて生き残ってるなんてありえない・・・。
ならどうして・・・?
ああうん・・・。 とりあえず閉じたままの目を開けてみようかな・・・。
僕がいるところはどうやら動いているようだし・・・。 振動が伝わってくるから・・・ね。
さて・・・目を開けてみようか・・・。
「・・・ここは?」
ああどうしよう・・・。 本当にここはどこなんだ・・・?
目を開けた僕の視界に広がった景色はどこかの部屋だった・・・。
僕はこんな部屋しらない・・・。
それに・・・どうして?
「色が・・・」
どうして色があるの・・・? 僕にとってこの世界は色を失うほどに退屈で嫌いで憎くて・・・。
ありえないよ・・・。 僕はこの世界が・・・
「この・・・世界・・・?」
僕がいるここは本当に"僕"がいた世界なのだろうか・・・?
ああ・・・もう。 とりあえずここがどこかなのかだけでも理解しておこう。
「行く・・・か」
僕は立ち上がりこの部屋のドアを開けた。
その僕の目に見えたのは、白い・・・真っ白い服だった。
「・・・?」
僕はなぜか既視感を得た・・・。
どこかでこの色を見たことがあったような・・・。
「あー?誰だお前」
・・・あれ? 聞いたことがある声・・・。 僕がずっと助けを求めていた人の声だ・・・。
でも・・・そんなことありえないよ。
僕がいた世界には彼はいなかったんだし・・・ね。
「おい。お前俺の話聞いてんのか?」
「あっ・・・」
あごを持たれて顔をあげさせられた。
そして、僕の目の前にはいるはずのない人がいた・・・。
僕の心の支えだった人。 その人に僕の顔を見られた・・・。
「ぃ・・・ゃ・・・」
怖い・・・嫌だ・・・。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だっ!!
彼らが僕に言ったんだ。 僕の顔は見る人を不快にさせるって、僕はそれを僕を傷つけるために言ったんだと思った。
・・・けど、けどもし違ったら?
本当に僕の顔でこの人を不快にさせたら?・・・嫌われるに決まってる。
そんなのは嫌だっ!! 僕の支えなのに・・・僕にはこの人達しかいないのにっ!!
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